かんそう。

字幕と吹き替えの話

 基本的に映画は字幕でみるほうだ。まずは「素」のままでその作品を見たいと思うからだ。吹き替えだと、声優さんの演技および吹き替え用演技指導が加わるので、そこにその声優さんと演出家の意図が加わるので、少し受ける印象が違ってくるケースがある。

 とはいえ吹き替え拒絶派ではない。最近、DVDでは日本語吹き替えが入っているケースが多くなった。自宅で仕事なんかをしながらBGMがわりに吹き替えでDVD流したりする。もちろん既に見たことある作品になるが、日本語なら耳から入ってくる言葉だけでも筋は追えるし、気に入った場面は画面を見たりする。邪道?

 また海外ドラマなんかは吹き替えの声優さんの力量でおもしろくなるものもあり、一概に字幕マンセーとはいえないものもある。

 LotRでは、特に1作目の字幕の拙さがファンの間で取りざたされ、改善を求める声が多かった。現代劇ならいざしらず、歴史物語ふうな趣のある作品では字幕にはよりいっそうの注意が求められる(言葉遣いや背景描写など)ので、大変とは思うが、もう少し気を配って欲しかったところだ。

 という理由もあり、また、吹き替え=ファミリー向けなので、朝早い上映には、吹き替え上映が多く、午後出社にして朝の上映を見てから出勤するという荒技を使っていた私は吹き替えを見る機会も多かった(特に二つの塔)。

(英語の?な私にとっての)吹き替えの利点は文字を読まなくていいので、画面に集中できるということだろう。たぶん目に入ってくる情報量は吹き替えのほうが多かったはずだ(もっとも10回以上も見に行ってれば、さすがに字幕を読まないだろうという気もするが、それは別の話・笑)。

 LotRの吹き替えにまつわる話で一番興味深かったのは、PJが各国の声優に決定権をもっていたということだ。これにより、原作ファンで吹き替えを熱望してしていた有名声優(誰だろう…)がいたが、希望がかなわなかったというから、へぇ〜な話だ。

 なので、人気があるし、声もいい山寺宏一氏が、やはり声のいいエオメル役のカール・アーバンに当てられ、出番が少ない、というもったいないケースもでてきた。っていうかエオメルの出番が少なすぎ。私の「声」No.1は元の声も吹き替えもエオメルだ(あ、クリストファー・リーのサルマンも素敵でした)。

 おもしろいなと思ったのは、元の声とまったく違うアラゴルンとレゴラスだ。俳優の元の声は変えようがないが、吹き替えは声を選択できる。PJの持つアラゴルンのイメージは、渋みのあるおじさん声で、レゴラスは、りりしいヒーロー声だったのかな、と思ってみたり。

 アラゴルンの声は違和感が強いようだが、RotKの吹き替えを見ていた時、隣の席で若い女性2人がエンディングのキャストのイラストが登場するところで「アラゴルン! かっこいいわよね〜。特に吹き替えの声が渋くていいのよね〜」と話していたので、好みは人ぞれぞれのよう。

 そういえば、EAのゲームで声優陣が配役になりきってPRしているのが笑えた。声の「アラゴルン」は、EA主催のRotKの試写会で開始前の告知で「ゲームをする際にはぜひワタシ、英雄アラゴルンを選んで……イヤイヤ」などと言っていたそうです。

 ちなみに私の心に残る?やめてほしかった吹き替えは織田裕二と三宅裕司の「バック・トゥ・サ・フューチャー」と、浜ちゃんの「シュレック」かな。

吹き替えのみなさん

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